
耳鳴り・めまいを和らげるお灸の力
昨年秋からスタートした千歳道新文化センターでのお灸講座、早いもので明日が最終回となります。
毎回千歳をはじめ苫小牧や日高から参加していただき、とにかくお灸や東洋医学の良さを伝えていこうと必死でした。
講座が終えると、参加者の方の顔色が良くなったり、早く家に帰って旦那にお灸してあげたいなど、そんな声を聞くことが楽しみでした。
今回のブログテーマである「めまい、耳鳴り」は、結構他人事ではない悩みです。
かくゆう僕も年末年始に軽い高音の耳鳴りと、めまい症状を感じました。
スタッフに施術してもらい悪化はしなかったですが、急激な冷えと慢性疲労を解消し、気血水が整ったことでグッと回復したという感覚がありました。
今回のブログはそんな実体験も交えて書いていますので、ぜひ参考にしてみてください!
1、めまい
立ちくらみのようなふらつき程度のものもあれば、身体がふわふわ浮いているような感じがするもの、天井や周囲のものがぐるぐる回転するものまで、多岐に渡ります。眩暈」と表記しますが、「眩」は目がくらんで目の前が真っ暗になること、「暈」は頭がふらつたり、目が回ることをさします。
原因は様々で、メニエール症候群、脳血管障害、起立性調節障害、更年期症候群などの病気からくる急なめまい、激しいめまい、継続するめまいなどは、医療機関受診となります。
【めまいのタイプ】
・回転性のめまい
周囲がぐるぐる回っているように感じます。立っていることが出来ず、強い頭痛や吐き気を伴うことが多いのが特徴です。平衡感覚を担っている耳にトラブルがあると起こりやすく、脳血管障害でも起こるので、ひどい場合は救急車を呼ぶ必要があります。
・非回転性のめまい
立ち上がろうとするとめまいがする、地に足がつかずふわふわ・ゆらゆら揺れているように感じます。日常よくみられるめまいで、睡眠不足や過労、貧血や加齢などでも起こりやすく、自律神経失調でもみられます。
【東洋医学的な考え】
古くから、「気」の高ぶりは強いめまいを引き起こし、「気血」の不足ではふらつくようなめまいがあらわれ、「水」が巡らず滞ると回転性のめまいにつながると考えます。よって気血水の巡りを整えると解消すると考えます。
・疲れ・フラフラめまいタイプ
過労や睡眠不足、月経トラブルや産後、加齢に伴って、栄養である「血」とエネルギーである「気」が不足して起こるめまいには、気血を補う足三里ツボが適しています。
・水たまり・グルグルめまいタイプ
水分の摂り過ぎ、胃腸虚弱、冷えなどによる水分代謝の低下で生じるめまいには、胃腸の調子を整え、「水」のめぐりを良くする陰陵泉ツボを用います。
・ストレスめまいタイプ
緊張や心労が続き、ストレスが多いと、エネルギーである気の流れが悪くなりめまいが生じます。このような時には気を巡らせ、頭部にあがった熱を冷ます太衝ツボを用います。
2、耳鳴り
外界からの音がないのに、耳や頭で音を感じる症状を耳鳴りといいます。強さ、音質などは個人によって異なり、キーンという金属音やブーンというモーター音、ジーという蝉が鳴くのような音など症状も様々です。耳鳴りは、本人にしか聞こえない「自覚的耳鳴り」と聴診器などで他の人にも聞くことができる「他覚的耳鳴り」があります。
耳鳴りが続き、嘔吐・頭痛・めまいを伴なう場合や突然、片耳もしくは両耳が聞こえなくなる場合には、耳や脳血管に関連する病気も考えられます。
【耳鳴りのタイプ】
耳鳴りには、音源を特定できず戸外の振動などが原因と言われている「外因性」と体内に原因がある「内因性」があります。現代医学では原因の特定がしにくく治療が難しい病気とされています。
・内因性タイプ
内因性タイプには、難聴を伴う「伝音性耳鳴り」「感音性耳鳴り」と、難聴を伴わない「心因性耳鳴り」があります。
「伝音性」:外耳~内耳までの異常によって生じる耳鳴り。
「感音性」:脳や脳神経など音を感じる機能に異常があり生じる耳鳴り。
「心因性」:ストレスから生じる耳鳴り。
・外因性タイプ
外因性タイプには、筋肉の収縮やけいれんによって生じる「筋肉性耳鳴り」と、血管の拍動によって生じる「血管性耳鳴り」があります。
「血管性」:高血圧が原因のひとつとされ、動脈硬化による血流異常が耳鳴りを発生させる。
「筋肉性」:ほとんどが突然生じ数秒~数分程度で自然に改善します。
【東洋医学的な考え】
「気・血」の不足があると小さいけれど長く続く耳鳴りが起こり、「気」の滞りでは高い音、「水」の滞りでは耳がふさがったようなこもる音など、異なる症状があらわれます。めまい同様、気血水の巡りを整えると解消すると考えます。
・ストレスタイプ:足臨泣ツボ
ストレスにより自律神経のバランスが乱れやすくなり緊張している状態です。エネルギーが熱をもって頭に上がるため、のぼせや高血圧、不眠、目の充血、便秘などの症状が併発しやすくなります。
・加齢・疲労タイプ:太谿ツボ
加齢や疲労によりエネルギーが消耗している状態です。虚弱体質や慢性病などでエネルギー不足になっている人にも見られます。難聴や物忘れ、眠りが浅い、尿トラブルなどの症状を併発しやすくなります。
・むくみタイプ:湧泉ツボ
お酒の飲みすぎや、冷え、胃腸の不調が原因で、水の巡りが悪くなり余分な水が体内に停滞している状態です。頭痛や頭重、グルグル回るめまい、下痢、むくみなどの症状が併発しやすくなります。
参考、引用文献:『薬日本堂株式会社 2015年04月21日号、2017年06月26日号』
投稿者プロフィール

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恵庭市で鍼灸を通して美と元気を提供する美容専門 ナツメ堂鍼灸院を経営。ハリウッドスタイル上田式美容鍼®︎を取り入れてから、女性起業家や美と健康を追及していく女性を中心に地元を越え札幌からもお客様が来院。最近はコミュニティに力を入れ近隣の起業家たちを巻き込んだイベントを開催しています。
(財)日本美容鍼灸マッサージ協会認定美容鍼灸師
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